Obsidianを簡易スプレッドシート化!表計算で合計を自動表示する方法と「計算されない」を解決する全手順

Obsidianは優秀なメモアプリですが、「ちょっとした計算のためだけにExcelやスプレッドシートを開くのが面倒…」と感じたことはありませんか?実はObsidianにはプラグインがあり、簡単な表計算ならObsidian内で完結させることができます。

しかし、多くの解説記事では「合計が表示されない」「自動で計算が更新されない」といった、初心者がつまずきがちなトラブルの解決策まで踏み込んでいません。

この記事では、Obsidianで表計算を始めるための基本的な手順から、合計が反映されないときの具体的な解決策まで、これまでのやり取りで明らかになった実践的な知識を交えて、誰でも再現できるように解説したいと思います。

準備:表計算プラグインの導入

Obsidianで計算を行うには、コミュニティプラグインが必要です。今回は、多くのユーザーに利用されている「Table Editor」を例に進めます。

 

  1. Obsidianの「設定」を開きます。
  2. 「コミュニティプラグイン」のタブに移動し、「コミュニティプラグインを閲覧」をクリックします。
  3. 検索窓に「Table Editor」と入力し、インストールと有効化を行ってください。

 

 

検索窓にTable Editorと入れるとすぐに見つけることができます。

 

これで準備は完了です。

基本編:合計金額を自動で表示する表の作り方

早速、入力した数値の合計を自動で計算してくれる表を作成してみましょう。

ステップ1:表を作成する

まずは、シンプルな表をObsidianのノートに作成していきます。

ノート上で右クリックして、挿入→テーブル でテーブルを呼び出すことができます。

初期設定では以下のようにテーブルが作成されます。下にテーブルを追加する場合は、Enterキーで増やすことができます。

行を消去したい場合は、不要な枠をアクティブにして右クリック、Column→Delete column

 

それでは以下をサンプルとして計算方法の解説を行います。

 

ステップ2:魔法の呪文「TBLFM」を書き込む

上記のような表に記入した数字の合計を計算したい場合、表のすぐ下に以下の「数式(Formula)」を書き込みます。これが計算を実行するための指示になります。

<!-- TBLFM: @>$2=sum(@I..@-1) -->

全体をお見せするとこのようになります。

 

この数式の意味も簡単に解説します。

`<!– … –>`:これはHTMLのコメントアウトで、Obsidian上ではプレビュー時に表示されません。

`TBLFM:`:Table Formulaの略で、これから数式が始まることを示します。

`@>$2`: 「表の一番下の行(`@>`)の2列目(`$2`)に」という場所を指定しています。

`=sum(@I..@-1)`: 「最初のデータ行(`@I`)から最後から2番目の行(`@-1`)までを合計(`sum`)した数値を」という意味です。

これで、合計行に自動で計算結果が表示される表のテンプレートが完成しました。

Obsidianの情報はAIのDeepResearchとも親和性が高いので、お願いすれば割と複雑な計算式も出してくれます。

トラブルシューティング編:「合計が計算されない!」を解決する2つの手順

テンプレートはできたものの、「数値を入力しても合計が更新されない!」という問題が、実は一番よくあるつまずきポイントです。

これはプラグインの仕様であることが多く、計算を実行するための「きっかけ(トリガー)」をこちらから与える必要があります。

解決策1:Tabキーでセルを移動する

最も簡単なトリガーは、セルを移動することです。

数値を入力した後、キーボードのTabキーを押してカーソルを隣のセルに移動させてみてください。多くの場合、この操作で再計算が実行され、合計金額が更新されます。

解決策2:コマンドパレットから手動で計算を実行する

Tabキーを押しても計算が更新されない場合は、手動で計算を実行します。

  1. キーボードで Ctrl + P (Macの場合は Cmd + P) を押して、コマンドパレットを開きます。
  2. 表示された入力欄に「Table」と入力します。
  3. 候補の中から「Table Editor: Evaluate formulas」というコマンドを探し、クリック(またはEnterキーで実行)します。

このコマンドは「このページの数式をすべて再計算しなさい」という直接的な命令です。これで、表の計算が確実に実行されるはずです。ただし、計算に追加がないと先程のコマンドは出てきません。

まとめ:Obsidianを表計算にもっと活用しよう!

今回は、Obsidianで合計金額を自動計算する方法と、計算が反映されないときの具体的なトラブルシューティング手順を解説しました。

  • シンプルな表構造を心がける
  • TBLFMで数式を指定する
  • 合計が更新されない時はTabキーかコマンドパレットを試す

この3つのポイントを抑えれば、Obsidianを簡易的なスプレッドシートとして、日々のメモや家計簿、タスク管理に役立てることができると思います。ぜひ活用してみてください。